2016/06/24
乱視用の眼鏡が疲れやすい理由とは?左右で乱視の見え方が違うのかも
目次
乱視とは
乱視とは、目の中に入ってくる光の方向によって焦点を結ぶ位置が異なるため、見えにくくなったりダブって見えたりする状態のことです。
乱視には、角膜や水晶体の対照的な歪みのために生じる正乱視と、屈折面での屈折が不規則で円錐角膜などでみられる不正乱視にわけられますが、円錐角膜などの病気以外ではほぼ正乱視なので今回は正乱視のことをより詳しく説明していきます。
乱視の種類
乱視にはいくつかの分類がありますが、その中の乱視の方向での分類を説明します。
屈折力の強い強主経線(きょうしゅけいせん)が垂直方向の直乱視(ちょくらんし)、水平方向の倒乱視(とうらんし)、斜め方向の斜乱視(しゃらんし)の3つに分けることができます。
直乱視の見え方は、縦方向に歪んで見えるため対象物が上下にずれて見える傾向にあります。
倒乱視の見え方は、横方向に歪んで見えるため対象物が左右にずれて見える傾向にあります。
斜乱視の見え方は、斜め方向にずれて見える傾向があります。
このうち、子供が視力検査で指摘されてくる乱視は直乱視が多いです。
歳を重ねるごとに乱視の方向も変化していき、高齢者では倒乱視も多くなってきます。
乱視の眼鏡が疲れる理由
慣れが必要
眼鏡をかけることそのものにも慣れが必要ですが、近視や遠視の眼鏡に比べても乱視入りの眼鏡では慣れるのに時間がかかります。
乱視の眼鏡で慣れるのに時間がかかる理由は、近視や遠視を矯正するレンズが球面レンズ(レンズのどの部分も同じ度数)に対して、乱視を矯正するレンズが円柱レンズ(一方向には度が入ってもう一方向には度が入っていないレンズ)を使用するため、慣れるまで見え方に歪みが生じやすいのです。
ですので、強い乱視でない人が初めて眼鏡を作るときには、まず近視か遠視のみの度数に慣れてから次に作製するときに乱視の度数を入れてもらった方がスムーズに慣れやすく掛けやすい眼鏡になるでしょう。
初めての眼鏡で乱視を完全矯正してしまうと、疲れの原因になります。
左右の目で乱視軸が違う
乱視には近視や遠視と違い、軸というものが存在します。
先ほど説明した直乱視と倒乱視は真逆の軸になります。
この乱視の軸が左右の目で同じ軸であれば問題ないのですが、中には左右の目で軸が大きく異なる人がいます。
こうなると右目と左目に真逆の軸のレンズで矯正することになり、非常にかけにくく疲れやすい眼鏡になってしまいます。
これを防ぐためには、乱視の軸を左右で少し近づけたり、等価球面置換法といって乱視を近視や遠視の度数に置き換える方法で合わせたりする必要があります。
この場合はきちんと眼科で検査してもらって処方箋を出してもらった方が良いでしょう。
強度の乱視を眼鏡で矯正
眼鏡をつくる場合、装用できる乱視の度数には限界があります。
例え慣れている人でも2Dを超える乱視の度数は掛けづらく疲れの原因になるといわれています。
ただし、これは個人差があり、中にはその倍の度数を掛けていても全く違和感を感じずに装用している人もいます。
また、園児や小学生くらいの子供は適応能力が高いため、強い乱視でも問題なく装用できる場合が多いです。
乱視の改善方法について
乱視を改善するトレーニングがあることをご存知でしょうか?
慣れや、メガネの度数の調整で疲れを軽減するとともに、是非こちらの方法を試してみください。
乱視自体を治療することはできる?
乱視はめがねやコンタクト以外の方法でも矯正することができます。
下に、めがねとコンタクト以外で乱視を治療できる4つの方法とメリット・デメリットをまとめました。
自分にあった方法を見つける参考にしてみてください。
レーシック
乱視は、レーシック手術で治療する事ができます。
かつては乱視の中でも「正乱視」しか治療できませんでしたが、従来のレーシックよりも精度が高いウェーブフロントレーシックが普及したおかげで、不正乱視も治療することができるようになりました。
*レーシックのメリット
- 一度手術を受けると裸眼で過ごせる
- めがねやコンタクトレンズで矯正できない不正乱視も治せる
- 維持費がかからない
*レーシックのデメリット
- 角膜が薄いと手術が受けられない
- 強度の乱視で手術をした場合、軽度の乱視が残る可能性がある
- 後遺症のリスクがある
レーシック手術で乱視を治すことについて、詳しい情報はこちらにもまとめてあります。
参考にしてみてください。
オルソケラトロジー
オルソケラトロジーとは、寝ている間にハードコンタクトレンズのような特殊なレンズを装着し、角膜の形に正しいくせをつけることで視力を回復させる方法です。
日中は裸眼で過ごす事ができて、小学生でも使う事ができるので近年注目されている方法です。
しかし、オルソケラトロジーで強度乱視を治す事は難しいとされています。
*メリット
- 手術を受けることなく日中を裸眼で過ごせる
- 自分に合わないと感じたら、角膜を元の状態に戻す事ができる
- 小学生から高齢層まで使う事ができる
*デメリット
- 毎日洗浄などのケアをする必要がある
- 維持費がかかる
- 強度乱視には効果が出にくい
オルソケラトロジーは、コンタクトレンズを使用していた方など、日々のケアに慣れている方やレンズの装着感に慣れている方が始めやすい方法です。
目の手術に抵抗がある方や軽度の乱視を持つ人にオススメです。
オルソケラトロジーでの乱視治療に興味を持たれた方は、こちらの記事をご覧ください。
フェイキックIOL、ICL
フェイキックIOLとICLとはいわゆる「眼内レンズ」で、目の中にレンズを入れる事で視力を矯正する方法です。
フェイキックIOLは水晶体と虹彩の間にレンズを入れるため後房型、ICLは角膜と虹彩の間にレンズを入れるので前房型と呼ばれています。
現在では後房型のフェイキックIOLが一般的です。
フェイキックIOLやICLでは、正乱視も不正乱視も矯正する事ができます。
*メリット
- 角膜が薄い人や強度乱視の人も手術できる
- 傷口が小さく、目への負担が軽い
- 毎日ケアする必要がない
*デメリット
- レンズの取り寄せに1〜3ヶ月ほどかかる
- 費用が高額
- 緑内障・白内障のリスクが上がる
フェイキックIOL、ICLについてはこちらの記事をご覧ください。
リレックススマイル
リレックススマイルはレーシックと似ていますが、フラップを作らないという点で異なります。
フラップとは、角膜の表面をスライスしてつくるフタのようなもので、術後の痛みを軽減したり、細菌や異物が入ってくるのを防いだりする役割があります。
リレックススマイルはフラップをめくって角膜を削るのではなく、そのまま角膜をレーザーで削り、削った部分を抜き取ります。
*メリット
- 術後の痛みが少ない
- フラップがずれる心配がない
- 後遺症のリスクが少ない
*デメリット
- 再手術を行うことが出来ない
- 強度乱視は矯正することが出来ない
- 新しい術式なので症例数が少ない
リレックススマイルでは強度乱視は治療する事ができないので、軽度から中度の乱視の方で、格闘技や激しいスポーツをする方にオススメです。
リレックススマイルに関する詳しい情報はこちらの記事をご覧ください。
乱視治療でおすすめの眼科・クリニック
品川近視クリニック
品川近視クリニックは東京の他に、大阪、札幌、名古屋、福岡にクリニックがあります。
クリニックとしては症例数が業界内で最も多く、一人で3万症例、5万症例といったたくさんの手術を経験したドクターが在籍しています。
*品川近視クリニックの特徴
- 大手クリニックの中で最も安い
- 症例数は業界内で最多
- 全国展開していて、アクセスしやすい
*術式と費用
術式 | 費用(両眼・税抜) |
---|---|
レーシック | 6.9万円〜31.8万円 |
オルソケラトロジー | 8.2万円 |
フェイキックIOL | 53.7万円〜 |
ICL | 41.9万円〜 |
リレックススマイル | 29万円〜35.3万円 |
品川近視クリニックは、レーシック、オルソケラトロジー、リレックススマイルの費用が他の大手と比べ最も安いです。
ただし保証期間などはクリニックによって異なるので、自分に合ったクリニックや
術式を選びましょう。
レーシック手術の症例数が世界トップクラスの品川近視クリニックに取材してきました!
圧倒的な人気を維持し、選ばれ続けている理由が気になる方は、ぜひご覧ください。
新宿近視クリニック
新宿近視クリニックは術式のバリエーションが多く、自分に合ったものを選べます。
また、検査から術後の診察まですべて眼科専門医が行ってくれるので安心です。
*新宿近視クリニックの特徴
- 医師を指定する事ができる
- リレックススマイルの症例数が業界内で最多
*術式と費用
術式 | 費用(両眼・税抜) |
---|---|
レーシック | 9.4万円〜39.8万円 |
ICL(後房型) | 40.77万円〜63.8万円 |
ICL乱視用 | +10.8万円 |
リレックススマイル | 32.9万円〜39.8万円 |
まとめ
さて、乱視用のめがねが疲れやすい原因としては、
乱視のめがねに慣れていない
左右の眼で乱視軸が違う
乱視が強い
などの原因があります。
他にも、度の合っていない眼鏡をかけているということも考えられます。
乱視の眼鏡を作る時には眼科で視力の検査をしてもらい、自分にあった度数を選びましょう。
*サイトの情報や紹介している商品は、記事の内容に則して最適だと判断したものを紹介していますが、実際に利用し判断・行動する場合は、ご自身の責任の上で行ってください。
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