2016/08/27
乱視は眼鏡やコンタクトレンズで矯正 度数が決め手!
目次
乱視とは?まず度数検査
乱視の特徴は、遠近を問わず見る物がすべてぼけて見える症状です。
言い換えれば、ピントが合わないのが乱視です。
元々近視や遠視があると、相乗作用で一段と見えにくくなります。
乱視の矯正をした方がいいか、しなくていいかは、度数によって異なります。
近視や遠視を矯正しても、見えにくく感じる時はありませんか?、パソコンの文字が読みにくいと感じたり、数字の区別がつきにくかったりすることはありませんか?
ふとしたことに違和感があれば、乱視を疑ってみてはどうでしょうか。
そういう人は、念のため乱視の検査を受けてみましょう。
オートレフケラトメーター
乱視の検査はいろいろあります。
最もポピュラーな検査には「オートレフケラトメーター」(Auto Ref-Keratometer)を使います。
上の写真のような器具を使って度数を調べる検査です。
あご台にあごを付け、約1分で自動的に度数が表示されます。
この検査機は近視・遠視・乱視・乱視角度をあっという間に測定し、どのような眼鏡を処方するべきか画面に表示してくれる優れものです。
ほとんどの眼科が、導入しています。
自動屈折検査
ほかには乱数表を使う「自覚的屈折検査」があります。
眼鏡やコンタクトの度数を判定する1つの簡単な手法です。
検査用眼鏡枠にレンズを出し入れして、最も見えやすいレンズで度数が決まります。
「何番の線がはっきり見えますか?」という質問に答えて、乱視の有無を判断します。
トポグラフィー
「トポグラフィー」(角膜形状解析、topography)検査もあります。
これは角膜のカーブや歪みを測定して、目の表面(角膜)の形を判断する検査法です。
トポグラフィーとは3Dグラフィック法のことで、検査部位の3次元断層をグラフィックで表示します。
判定結果は、角膜のカーブの分布を色分けして表示します。
角膜のゆがみ方もわかりますので、ある程度の乱視が予想できます。
波面センサー
乱視を詳しく調べるには、トポグラフィー検査の1つである波面センサーもあります。
波面センサーは、オートレフケラトメーターよりさらに詳しく乱視の状態がわかります。
正乱視だけでなく、不正乱視まで測定できます。
波面センサーは特に白内障、レーシック、角膜疾患などの治療に最適で、より専門的な検査法です。
この機械は、眼球の光学的なゆがみ(収差)を測定します。
収差の代表的なものは乱視です。
波面センサーはどのような乱視かを判断する決め手になります。
乱視の矯正は何故必要か?
放置すると怖い!
乱視は何もせず放置すると、症状が進行していきます。
長い目で見ても老眼になりやすいなど、老化にも関係する疲れ目になります。
頭痛や吐き気、肩こり、偏頭痛など、不快な症状が出てきます。
目は非常にデリケートな器官です。
その日の体調の変化で、視力が変わってくると言われます。
近視や遠視、乱視などの度数は、体調(目の健康)に微妙に影響します。
乱視が進行すると、日常生活に危険が迫ってきます。
信号機の色は識別できても、右折・左折のいずれかの矢印が見づらくなり、思わぬ事故に遭遇しかねません。
これは上下左右の線がぼやけて見にくくなる乱視特有の症状が原因です。
同じ症状で、暗い場所で物が見にくくなります。
また三半規管が身体のバランスを保つことができなくなり、自律神経が失調して、乗り物酔いになりやすくなります。
乱視の矯正は必須要件です。
乱視の種類と原因
乱視の原因は、角膜や水晶体のゆがみに起因します。
このゆがみには先天的なものと、後天的なものがあります。
先天的なものは、出産時や妊娠時の状態が原因だと言われます。
後天的なものは角膜の外傷や手術、病気に起因します。
意外に知られていませんが、眼を細めるなど眼球に圧力をかけることも原因となるようです。
また高齢者は眼球を調整する力が低下して、乱視になり易いようです。
乱視は不正乱視と正乱視に大別されます。
不正乱視とは
不正乱視は角膜(時には水晶体)の表面が突き出ていたり、デコボコしていたりする状態のため、眼内で光線が焦点を結ばない状態です。
眼鏡では矯正できません。
生まれつき不正乱視の人と、角膜の外傷や病気が原因で後天的に不正乱視になる人もいます。
正乱視
これに対して正乱視は、角膜や水晶体が縦、横、斜めの径線のいずれか1方向にゆがみがあるため、眼球に入った光線が複数の場所で焦点を結ぶ状態を言います。
正乱視には3種類あります。
乱視はゆがんでいる方向で直乱視、倒乱視、斜乱視に分類されています。
上下方向に押しつぶされるようにゆがんでいる状態は直乱視、逆に横方向にゆがんでいると倒乱視、斜め方向にゆがんでいると斜乱視です。
これら3種の正乱視は、当然ながら見え方に相違があります。
直乱視が最も症例が多く、倒乱視、斜乱視の順に少なくなります。
乱視の度数とは?
乱視の程度を表す数値である度数は、眼鏡やコンタクトを作る際の尺度になります。
自分の乱視を表す度数の基礎的なことを知っておくことが大切です。
乱視にはゆがみに方向性があることはすでに説明しました。
その方向性は軸角度と呼んでいます。
軸が水平方向の場合は0度、垂直方向は90度と決まっていますから、0値付近は直乱視、90度付近が倒乱視、その中間値付近が斜乱視となります。
乱視度数は0.25刻みで表します。
この度数はC値と呼ばれています。
さらに近視の人は「-」、遠視の人は「+」で表示します。
例えば、C値が±0.1の人は正常値であり、乱視の矯正は必要ありません。
-0.1は近視の人の乱視度数、つまりC値です。
C値が±1.2~2.00なら、中程度の乱視です。
矯正が必要です。
また±2.25-3.00になると、強度の乱視となります。
コンタクトレンズでも矯正可能
乱視の矯正というと眼鏡が主流となっていましたが、近年では「乱視を矯正するためにのコンタクトレンズ」が開発され、注目されています。
近視や遠視、老眼ばかりでなく、乱視用にコンタクトレンズを使いたい人は何を選べばいいのでしょうか?どんな種類があるのかをご紹介いたします。
トーリック
乱視用の度数の入ったコンタクトレンズは、トーリックコンタクトレンズと呼ばれています。
目のゆがみの方向と反対方向に、これもゆがみを持ったレンズを正しく向き合わせて装着します。
互いにゆがみを打ち消し合って、ゆがみを相殺する原理です。
レンズがぴったり収まって、ずれません。
乱視用コンタクトレンズは、光のブレを整えることで視力を矯正します。
目のゆがみは、乱視の種類で説明したように、縦や横方向のゆがみがあります。
レンズの向きを合わせるために、乱視用レンズは装着している時に回転しないように工夫します。
そのために次のような2つの方法があります。
プリズムバラストとダブルスラブオフとは?
先述したように、目のゆがみには人によって縦や横などの方向があります。
ですので、それにレンズの向きを合わせなければなりません。
そのためも、乱視用レンズはつけている時に回転しないような工夫がされています。
プリズムバラストはレンズの上の方が薄く、下に向かって厚みを持たせて、レンズがずれないように保ちます。
厚い部分が、瞬きのたびに押されるとともに、その重みで下側にくることで、レンズの位置が整うようになっています。
ダブルスラブオフは、レンズの上下が薄く、左右が厚くなっています。
上下の薄い部分をまぶたと眼球で挟み込むことで、レンズの位置が調整できるようになっています。
トーリックによって、近視と両用すれば、近視・乱視の矯正が解決します。
*サイトの情報や紹介している商品は、記事の内容に則して最適だと判断したものを紹介していますが、実際に利用し判断・行動する場合は、ご自身の責任の上で行ってください。
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