2016/07/04
ドライアイは治療が必要!治る期間の目安と治療法
目次
ドライアイにはどんな症状がある?
ドライアイは昨今発症する人が多く、誰しもなり得る可能性が高い病気です。
現在、日本では約800~2,200万人ものドライアイの患者さんがいるといわれ、オフィスワーカーにおいては3人に1人がドライアイという報告もあり年々増加傾向にあります。
出典:http://www.nichigan.or.jp/
そんなドライアイの症状といえば目の乾きや目の痛みがイメージされますが、その他にもさまざまな症状が表れます。
主な症状は次のようなものです。
・目が乾いた感じになる
・目がゴロゴロする
・目がかゆい
・目がかすむ
・目が疲れやすい
・光をみるとまぶしい
・目やにがでる
・目が充血する
・涙が出やすくなる
など
これらの中で5つ以上当てはまる症状がある場合、ドライアイの可能性が高いと言えます。
ドライアイを引き起こす要因
ドライアイには、涙の分泌量が減少しているタイプと、涙が蒸発しやすくなっているタイプの2タイプがあります。
このような状態から目の表面(角結膜上皮)に炎症が起きることをドライアイと呼びますが、その要因には次のようなことがあげられます。
・空気の乾燥
・紫外線
・パソコンでの作業、TVゲームやスマートフォンの長時間使用
・読書でまばたきが少なくなる
・目が大きい
・コンタクトレンズの装用
→ソフトコンタクトレンズで、レンズの表面から涙液の蒸発量が増え、症状を引き起こす場合がある
・加齢
・ストレス
など
ドライアイの5つの治療方法
ドライアイの症状で眼科を受診すると、視力検査などの検査が行われ、涙の量や質、他の病気の有無などを調べます。
特に行わるのがシルマー試験です。
専門の紙がどのくらいの長さまで濡れるかで、涙の量を確認します。
その後ドライアイの確定診断がされると治療となりますが、ドライアイを完全に治す治療方法というものは、現在のところまだないのが現状です。
治療方法の中心は点眼治療となります。
軽症のドライアイであれば、ドラッグストアや薬局で販売されている、一般用医薬品(OTC医薬品)の目薬の使用で改善できる場合もあります。
しかし目薬によって成分や使用用法が違うため、もし自分のドライアイの状態が分からないなど不安な部分があれば、眼科を受診し適切なものを処方してもうらことをおすすめします。
眼科での治療を行う場合には、次のような方法があります。
1.人工涙液の点眼
ドライアイの一般的な治療方法です。
涙に近い潤い成分を点眼することで症状を和らげることができ、2つのタイプのドライアイのいずれにも使用できます。
また保湿成分であるヒアルロン酸や、涙の分泌や生成を促すジクアホソルナトリウムやレパミピドが含まれる点眼薬が使われることもあります。
2.涙点プラグの使用
重症のドライアイの場合、涙液の出口(涙点)に栓を差し、涙を目にとどまらせる治療を行うこともあります。
痛みもほとんどなく、人工涙液には含まれないたんぱく質やビタミンの補給や、目の潤いを保つ効果もあります。
3.自己血清の点眼
患者本人の血液を採取して、血球成分を除去した「血清」を薄めて点眼する治療です。
涙点プラグと同様に、人口涙液の点眼で改善が見られない重症の場合に行われる治療方法の1つです。
血清には涙液以上の生理活性物質が含まれているので、目の表面を潤す以外にも、角結膜上皮細胞の活性化や、障害の修復、目の不快感の改善も期待できます。
4.眼軟膏の塗布
就寝前に目につける軟膏で寝ている間に目を保湿し、粘膜を良好に保つためのものです。
またドライアイの人は角膜が傷つきやすいため、瞼閉じたり開けたりする際の保護としても使われます。
多くは、寝起きに症状がつらい場合に処方されます。
5.ドライアイ用メガネの装用
目の周囲の湿度を保ち、目の乾燥を防ぐためのメガネで、フレームの周りに保湿用のカバーをつけたものです。
目の負担を和らげ、ホコリや花粉といった外的な刺激や紫外線からも目を保護します。
治療期間の目安はある?
ドライアイは一時的に改善されても再び発症する可能性はゼロとは言えません。
発症の要因も1つに限られるものではないので、さまざまな要因が絡み合った上で発症することもあります。
そのため、治療期間にはこれといった基準があるわけではありません。
ひとまず症状が落ち着いて、角膜の傷が治った時点で、症状改善の目安と考えられるでしょう。
以降はドライアイの予防を心がけるようにして、再発しないように努めましょう。
ドライアイは放置しておくと危険!
健康な目だと、涙が目の表面を覆っているのでホコリなどから目を守ることができます。
しかし、ドライアイで涙が少ない状態が続いていると、ホコリなどが入っても目の表面のバリアが十分ではないので、傷がつきやすくなります。
その結果、角膜が傷ついて細菌が繁殖しやすい状態となって、細菌性角膜炎のような角膜感染症を引き起こす可能性があります。
さらに涙の量が十分ではないので、光の屈折にばらつきがでてしまい、かすみ目や見えにくさなどの視力低下を起こしやすくなります。
視力が低下すると目を近づけすぎるなどして無理な姿勢になりやすく、頭痛や肩こりなどにもつながります。
重大な病気が潜んでいる危険性も
ドライアイの症状のような目の乾きを感じる場合、他の重大な病気が潜んでいる可能性も考えられます。
・シェーグレン症候群→口や鼻も乾きを感じ、関節痛の症状も現れる自己免疫の病気
・スティーブンス・ジョンソン症候群→薬の副作用などでだるさや全身に紅斑が発生する病気で、ドライアイを併発する
目の乾きなどの症状が続く場合は、自己判断で放っておかずに早めに眼科を受診することをおすすめします。
ドライアイを予防するには
生活環境によって目が乾きやすくなることがあるので、ドライアイの改善や予防策として日常生活の中では次のようなことに注意しましょう。
・パソコンやテレビ、読書などの間には意識的にまばたきをしたり、適度に休憩をとる
・テレビやパソコンの画面の位置を目より低くする→上より下を見る方が涙液の蒸発量が少ないと言われているため
・コンタクトレンズは正しい使用方法を守って、目薬、加湿器を適度に使用する
・エアコンの風が直接目に当たらないようにする
*サイトの情報や紹介している商品は、記事の内容に則して最適だと判断したものを紹介していますが、実際に利用し判断・行動する場合は、ご自身の責任の上で行ってください。
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