2016/07/04

眼の病気・症状

ドライアイの目薬を眼科で処方してもらうべき理由とは?

ドライアイは近年、コンタクトレンズの使用やデスクワークの増加に伴い多くなってきている眼症状の1つです。 ドライアイの治療に目薬が有効なことは良く知られていますが、市販の目薬ではうまく治療できないこともあります。 今回は眼科でドライアイの目薬を処方してもらうべき理由を説明します。

ドライアイの種類について

ドライアイとは、目の表面を覆っている涙の量が減ったり、その質が変化することで起こるトラブルの総称です。

ドライアイには原因によって3つのタイプにわけることができます。

正常な目とドライアイの目
出典:http://www.santen.co.jp/

その1 涙液分泌減少型ドライアイ

涙の分泌量が減ることにより起こるタイプのドライアイで、原因は主に加齢によるものです。

特に女性は、ホルモンのバランスが崩れる中高年になると、涙の分泌量が減ってきます。

その2 涙液蒸発亢進型ドライアイ

涙の蒸発量が増えて起こるタイプで、原因には空調で乾燥した室内の空気環境や、強い風、太陽の紫外線も影響していると考えられています。

油がでにくくなって起こることもあります。
このタイプは年齢問わずみられます。

その3 BUT短縮型ドライアイ

最近、新型ドライアイとして知られるようになったタイプのドライアイです。

BUTとは、目の表面の涙の膜に途切れる部分ができるまでの時間(涙液層破壊時間)のことで、それが短くなっている、つまり涙の膜が途切れやすいドライアイがこのタイプになります。

涙は油層・水層・ムチン層と分かれているのですが、このBUT短縮型はムチン層に異常が起こることが原因とされています。
ムチンは粘性で目の表面に涙を均一に分布させる働きがある、涙を安定させるとても重要な成分です。

このムチンの働きが弱まるため、涙が途切れた部分の角膜は露出してしまい、痛みがおこります。

ドライアイの程度により、治療方法(目薬)が異なる

目薬が染みる
程度の軽いドライアイに対しては、人工涙液や保湿成分であるヒアルロン酸の目薬で対応できますが、角膜に傷をつけてしまっていたり、痛みが強い場合には人工涙液やヒアルロン酸の点眼では効果が期待できません。

涙液減少型には、ジクアホソルナトリウム(ジクアス点眼液)により水分やムチンの分泌を促す目薬が有効です。

またBUT短縮型で痛みを伴う重度のドライアイには、ムチンの増加作用と粘膜修復作用を持つレバミピド(ムコスタ点眼液)が有効です。

眼科でドライアイを処方してもらうべき理由

医師の診療
自分がどのドライアイのタイプで、どの程度のドライアイなのかは、眼科で診察してもらわないとわかりません。

眼科であれば、その患者に適した目薬を処方してもらえるため、市販の目薬に比べ効果が高いといえます。
また目薬にも保険が使えるので、通常1~3割の自己負担で購入することができます。

ただし、人気のある眼科であれば待ち時間が1~2時間程度かかるところもあるので、少し時間に余裕をもって行かないと予定が狂うかもしれません。
また、診察料も別にかかってくることも知っておいた方がいいでしょう。

まとめ


眼科でドライアイの目薬を処方してもらうべき理由について説明しました。

市販の目薬が悪いわけではないのですが、市販の目薬を使用しても効果がない、または悪化する場合には眼科で一度診察をしてもらう方が良いです。

眼科でドライアイの程度を診てもらって、適切な目薬を使用すれば症状も改善していくと思います。

カテゴリー:眼の病気・症状
タグ:
最終更新日:2021/02/18

*本サービスは、一般的な情報提供を目的としたものであり、診察行為や治療行為を目的としたものではありません。具体的な治療行為等については、必ず、医師等の診察を受けて頂きますよう、お願い致します。
*サイトの情報や紹介している商品は、記事の内容に則して最適だと判断したものを紹介していますが、実際に利用し判断・行動する場合は、ご自身の責任の上で行ってください。

記事に関するお問い合わせ

老眼治療 レーシック

ドライアイに関する記事

ドライアイについてさらに詳しく知りたいならこちらをチェック

  • ドライアイ患者に不可欠!処方される目薬が持つ秘密とは

    ドライアイに悩む人の必須アイテムといえば目薬ですよね。多くの人はドラッグストアなどで売られている、市販のタイプを使用していることでしょう。ところが市販薬と処方薬には違いがあることをご存知でしたか?処方される目薬には、市販薬にはない特徴があったのです。

  • 【レーシックの合併症・後遺症まとめ】副作用の問題と発症確率とは

    【レーシックの合併症・後遺症まとめ】副作用の問題と発症確率とは

    視力が悪い人は、コンタクトレンズや眼鏡など様々な矯正方法で視力を良くしていますよね。今やメジャーになってきたレーシックですが、手術なので後遺症や合併症のリスクを考えて、二の足を踏んでしまうこともあるのではないでしょうか?今日はレーシックのが合併症や後遺症について詳しく解説します。

  • ドライアイの症状なのに涙が出る原因と対処法

    「ドライアイ」というと「目が乾いてしまうこと」というイメージを持っている方が多いと思います。よって、ドライアイの症状で涙が出るということを疑問に感じる方もあるのではないでしょうか。なぜドライアイの症状で涙が出るのかについて、原因や対処法を解説していきます。

  • ドライアイの人にもおすすめできる1dayコンタクトレンズとは?

    近年、コンタクトレンズの普及に伴い、ドライアイの症状に悩む人も増えてきています。実際、コンタクトレンズユーザーでドライアイに悩んでいる人も多いのではないでしょうか? 特にソフトコンタクトレンズは、ドライアイの症状を悪化させやすいです。ですがソフトコンタクトレンズの中にも、ドライアイに強い素材もあります。今回は1dayソフトコンタクトレンズで、ドライアイに強いレンズを紹介していきます。

  • この目の痛み、ドライアイの症状かも?

    ドライアイはどうして痛くなるのか?痛みの抑え方は?痛みの仕組みとは? ドライアイを改善させる方法を紹介!

  • >>ドライアイの記事をもっと読む

眼の病気・症状に関する記事

眼の病気・症状の記事は他にも多数!

  • ドライアイ患者に不可欠!処方される目薬が持つ秘密とは

    ドライアイに悩む人の必須アイテムといえば目薬ですよね。多くの人はドラッグストアなどで売られている、市販のタイプを使用していることでしょう。ところが市販薬と処方薬には違いがあることをご存知でしたか?処方される目薬には、市販薬にはない特徴があったのです。

  • 遠視の治し方とは?最新の治療法まとめ

    近視や乱視など、屈折異常による視力の低下にはいくつか種類があります。遠視も屈折異常の一つで、遠視になると目の見え方に問題が生じてきます。ここでは遠視の治療方法やトレーニング方法を解説します。

  • 近視の人の見え方は?光や色はどう見える?

    近視とは、視力低下の一種で、「近くは見えるけど、遠くが見えにくい」という状態です。大人に限らず、子供たちもメガネをかけている子が多くなってきており、日本では人口の6割が近視と言われ、頻度が高いです。近視とは、どんな状態なのか?見え方は?改善方法はあるのか?などについて見ていきましょう。

  • 緑内障は予防できる!改善すべき生活習慣とは?

    「緑内障」という病名はよく耳にしますが、初期のうちは自覚症状があまりないため、発症していても気づかないことが多い病気です。しかしそのまま放っておくと最悪の場合、失明してしまうこともあるので、早期発見や治療が大事になります。こちらではそんな緑内障を予防するにはどのような方法があるのか解説します。

  • 弱視と診断されたけど、弱視って治るの?弱視の原因、治療法まとめ

    弱視とは何か、ご存知ですか?名前を聞くことはあっても、どんな病気なのかはっきりわからない方がほとんどかと思います。簡単に説明すると、弱視とは眼鏡やコンタクトレンズをしても視力が(1.0)ない状態です。では、もし3歳児検診や学校の検診で弱視と診断されたらどうしたらよいのでしょうか?今回は弱視の原因や治療法について説明していきます。

  • >>眼の病気・症状の記事をもっと読む