2016/08/25
白内障術後の目はこんな状態。サングラスは必須?コンタクトはどうする?
目次
白内障ってなに?
白内障は目の水晶体という部分が白く濁ってくる病気です。
水晶体に含まれるタンパク質が白く濁ったり、硬くなったりすることで起こります。
目の構造はよくカメラのしくみに例えられますが、水晶体はカメラでいえばレンズの役割をしている部分です。
カメラもレンズにくもりや汚れがあると光が反射してぼやけて見えますが、目も同様です。
水晶体の濁りによって光が散乱して、ものがかすんで見えたり、ぼやけたり、まぶしく見えたりします。
また、遠くが見えにくく感じるために、近視が進んだように感じる場合もあるようです。
濁りが中心部に及んでなければ視力の低下はあまりありませんが、中心部まで濁りが及ぶと、見えにくさを感じるようになります。
白内障の多くは加齢によるもので、老人性白内障(加齢白内障)といわれています。
老人性白内障は白内障患者の7割以上を占めますが、他にも先天性や外傷性、アトピー、糖尿病など代謝性の病気によっておこる白内障もあります。
白内障の手術について
白内障の手術では、超音波で水晶体の濁りを砕いて取り除く超音波水晶体乳化吸引術と、取り除いた水晶体の代わりの役割を果たす眼内レンズ挿入術をあわせておこなうのが一般的です。
手術は局所麻酔で顕微鏡を使っておこなわれます。
水晶体は水晶体嚢(すいしょうたいのう)という外側の袋の中心にある水晶核と周囲を覆う皮質でできています。
超音波で白く濁った核や皮質部分を乳化させて吸引し、その代わりに眼内レンズを水晶体嚢の中へ挿入します。
切開する傷の大きさは3mmほどで、手術そのものの時間も20分程度と短時間で済みます。
手術にかかる時間が短く、患者の負担が軽くすむのが特徴です。
基本的には数日間の入院が望ましいですが、医師の判断により日帰り手術も可能です。
手術のあとの目はこんな状態
濁った水晶体を取り除いたことによって光が入るようになり、眼内レンズを入れたことによって、水晶体で吸収していた波長の短い光も透過されるため、光がまぶしく感じられたり、以前よりも物が少し青みを帯びて見えたりします。
手術前は、水晶体が加齢によって黄色味を帯びており、青色をはじめとする短波長の光が目に入りにくくなっていました。
眼内レンズはその短波長の光を通します。
したがって、手術前よりも青色の光が目に入りやすくなっているのです。
昼間のまぶしさはもちろんのこと、室内の蛍光灯やパソコンの画面、また夜間運転時の対向車のライトも、今までに比べ非常にまぶしく感じてしまいます。
また、手術後は傷口が完全にふさがっていないため、日常生活において特に気をつけなければならないことは、細菌に感染して起こる眼内炎を防ぐことです。
白内障の手術は、傷口も小さく、術後間もなくからある程度日常生活ができるため、無理をしがちです。
「白内障手術は、短時間で終わり日帰りも可能」になり、とても簡単なように感じるかもしれません。
しかし、どんなに短時間で優れた手術でも、外科手術に変わりはありません。
手術をした後は、定期的な検査が重要です。
術後の目にサングラスは必須
前述のように白内障手術後の目はとてもデリケートな状態です。
術後はぜひサングラスの着用をおすすめします。
サングラスが遮光し、目を保護してくれます。
UVカット加工レンズを使用し、上方や側方からの光も遮ってくれる保護サングラスであればなお良いでしょう。
光を遮ぎるだけでなく、目にゴミが入るのを防ぐ役割もあります。
術後のすぐの目は視力が安定しておらず、傷口が塞がらないうちは、万が一ぶつかったり転んだりしたりした時の衝撃からも目を守ってくれます。
術後にコンタクトレンズは使える?
水晶体は見るものによって自身の厚みを変えて、自然に焦点を合わせる働きをしてくれましたが、眼内レンズにはその機能はありません。
眼鏡やコンタクトレンズのように、それぞれの患者さんに合わせた度数のものを医師が選択し、近視や遠視、乱視をある程度矯正することができます。
手術後は挿入した眼内レンズで出る視力に合わせて、見づらい部分を眼鏡やコンタクトレンズで補うことになります。
手術によってもともとの目の度数が変わり、手術前に使っていたコンタクトレンズの度数や、角膜のカーブが合わなくなっている可能性があります。
また、手術によって角膜が痛んでいないか医師の診察を受け、装用が可能か判断してもらってから使用することが大切です。
通常は術後数か月経過してから使用を開始・再開することが多いです。
*サイトの情報や紹介している商品は、記事の内容に則して最適だと判断したものを紹介していますが、実際に利用し判断・行動する場合は、ご自身の責任の上で行ってください。
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