2016/07/16
近視の回復で遠くを見るのが良いといわれる理由と成果
目次
どうして近視になってしまうの?
近視になる原因は遺伝と環境の2つ
「近視」は、いわゆる遠くのものが見えないという症状です。
実際のところなぜ近視になってしまうのか、原因がはっきりとは分かっていません。
現在は「遺伝が関係している」と「環境によって起こる」の2つだと考えられています。
近視になる原因には、大きく分けて「遺伝要因」と「環境要因」があります。
強い近視は「遺伝要因」の影響が大きく、軽度の近視では「環境要因」が強いと考えられています。
両方が関与する場合もあります。
出典:http://www.ocular.net/
遺伝による近視は程度が重いものが多い
一般に、遺伝によって起こる近視は症状の程度が重いといわれています。
遺伝するタイプの近視は、専門的には「軸性近視(じくせいきんし)」と呼ばれています。
いわゆる「近視」というときにはこの軸性近視のことを指しています。
眼球の形が球体ではなく、楕円状になるのが軸性近視の特徴です。
眼球の奥行きが長くなってしまうため、目の奥にある網膜というフィルムに像を映し出すことができなくなっている状態です。
一度奥行きが長くなった眼球を後から戻すことは医学でも難しく、治らない近視とされています。
ちなみにレーシックは特殊な治療で、目のレンズである水晶体という部分に処置を加えます。
眼球自体の形をもとに戻すものではありません。
軽度の近視は生活環境によるもの
軽い近視の場合は、生活環境による影響があるといわれています。
近くのものをみるとき、目のレンズ(水晶体)の厚みを調節する筋肉が緊張した状態になります。
この状態が長くつづくと毛様体という筋肉は常に緊張した状態が続くことになります。
さらに、眼球自体が奥行きを長くすることで調整しようと働きます。
この状態が続けば、目はその状態で固定されることになり、近視が進んでしまうと考えられています。
ただ、この環境の影響によって生じた近視は、トレーニングなどによって回復することが期待できるといわれているのです。
一時的な近視ということから仮性近視(かせいきんし)と呼ばれることもあります。
近視は遠くをみると良いいと言われる理由
遠くをみることでレンズを調節する筋肉がリラックスする
近視の予防や進行の防止に対して遠くをみるのがよいといわれる理由は、近くのものを見続ける(レンズを調節する筋肉が緊張しつづける)状態を避けることができるからです。
つまり筋肉がリラックスできるというわけです。
10分程度は目を休ませることがポイント
勉強や読書などであれば1時間に1回くらい、テレビゲームやパソコンなどであれば40分に1回くらいは目を休めさせる必要があるといわれています。
最近では、携帯電話など画面が小さいものを見続ける時間も長い傾向にあります。
こういった操作は10分以上続けると目の負担になるとされます。
近いものを見続けるというのは、私たちが思っている以上に目の負担になっているのです。
医学的な根拠があるの?
近視の回復は賛否両論
遠くをみるといった対策で近視を予防・改善できるということについては、賛否両論です。
医学的・科学的な根拠があるという意見もあれば、仮性近視は回復する可能性があるという意見もあります。
遠望訓練とか言われていたものに遠点をじっと凝視させる事を加えて、その効果を一層大きくし近視の予防と矯正をはかろうとする1つの方法である。
遠くの1点を明視しようとする意志が加わると、より以上に水晶体を薄くする事になり、それが毛様筋の異常緊張を解く強い作用までにつながり、回を重ねるごとによって次第に遠見のきく正視への回復(矯正)となってあらわれるものと考えている。
出典:http://www.tokyo-shiryoku.co.jp/
軸性近視は眼の縦軸、すなわち奥行きですね、目の奥行きが長くなった為に起こる近視なので一度長くなった奥行きが短くすることは難しいのです。
出典:http://www.sakura-ganka.com/
もっとも大きい原因は遺伝的要因(軸性近視)です。
この遺伝的要因で進む近視は残念ながら避けることはできません。
出典:http://www.sakura-ganka.com/
軸性近視か仮性近視かは調べられる
回復が期待できるといわれる軸性近視か仮性近視かは、眼科で調べてもらうことができます。
多くの眼科には目の奥行きを計る検査器具を備えているところが多く、その検査によって知ることができます。
その他にできる対策は?
*本やパソコン画面との距離は30cm以上に気をつける
*300ルクス以上の部屋の明るさを保つ(300ルクスは家庭でいえばキッチン程度の明るさ)。
さらに電気スタンドなどの追加照明があるとベターです。
目の筋肉を酷使しないことが、近視の改善につながります。
夜更かしはよくありません。
特に成長期のお子さんの場合は、早寝早起きして、きっちり朝食をとるようにさせるだけでも、近視の進行を防ぐのに効果的とされています。睡眠不足や不規則な生活は、体や目の疲れもとれにくくなりますし、ホルモンバランスも崩れがちです。
夜更かしすると屋外や日中明るいところでの生活時間が短くなり、テレビ視聴や暗いところや狭い空間での生活時間が長くなってしまい、近視化を助長しやすい環境になりがちです。
出典:http://www.ocular.net/
最後に
近視に対して、遠くを見るのが良いといわれる理由、成果についてご紹介しました。
遺伝によって起こる近視に効果があるかは、判断が難しいというのが結論です。
ですが、環境によって生じた近視には効果があるという見解になっています。
近視の方は目の使いすぎには十分注意したいですね。
最近の学校保健統計調査では小学生の1/4、中学生の1/2以上が裸眼視力1.0未満となっており、更に低下傾向が続いています。
出典:http://www.ocular.net/
参考文献
*参天製薬・水晶体の不思議
https://www.santen.co.jp/ja/healthcare/eye/eyecare/wonders/lens.jsp
*医療法人社団医新会HP・近視の進行防止と治療について
http://www.ocular.net/miopia.htm
*東京視力回復センター・学術的根拠
http://www.tokyo-shiryoku.co.jp/training/konkyo.shtml
*さくら眼科クリニックHP・近視
http://www.sakura-ganka.com/015/
*サイトの情報や紹介している商品は、記事の内容に則して最適だと判断したものを紹介していますが、実際に利用し判断・行動する場合は、ご自身の責任の上で行ってください。
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