
【画像付き】眼底出血とは?見え方・原因・症状まとめ
最近「蚊が飛んでいるように見える」「見えている範囲が狭くなってきた」と感じている方いませんか?もしかしたらそれは眼底出血を起こしているものかもしれません。当記事では、眼底出血について紹介していきます!
目次
眼底出血とは?

眼底出血とは、眼底の網膜が出血を起こした状態です。
この「眼底」は、図にある通り眼球の後ろにある網膜や脈絡膜、硝子体や視神経乳頭部分を指します。
眼底出血は名前のとおり出血していますが、鏡を見てもわかるものではありません。
また出血していても痛みがないため、自分で気付くのは難しい症状の1つです。
眼底出血の原因となる病気とは?
眼底出血の原因は打撲・事故による強い衝撃もありますが、多くの場合は病気が原因となっています。
主に糖尿病、高血圧、動脈硬化といった病気があげられます。
早期発見するためにも、眼底出血を起こす病気について詳しく見ていきましょう。
①糖尿病性網膜症

糖尿病になると、「糖尿病性網膜症」「糖尿病性腎症」「糖尿病性神経症」と3つの合併症を起こしやすくなります。
このうちの糖尿病性網膜症の症状の中に眼底出血があり、眼底出血の原因の中で一番多いものになります。
血液の中の血糖値が高い状態が続くと、網膜の血管の流れが悪くなったり、血管がつまったり変形したりしてしまいます。
そういった血管の代わりに新しい血管ができはじめるのですが、新しい血管はできたばかりであるため、柔らかく、少しの刺激で出血してしまいます。
この糖尿病性網膜症は進行の過程で3段階に分けることができます。
初期:単純糖尿病性網膜症
単純糖尿病性網膜症は、糖尿病性網膜症の経過のなかでは初期の段階になります。
この段階では、特に自覚症状もみられません。
中期:前増殖糖尿病性網膜症
この段階になると、網膜から新生血管が出来始めます。
新生血管とは、流れが悪くなった血管に変わって酸素や栄養を届けようと、本来なかったところに血管をつくってしまうこと。
一見、良さそうではないかと思うかもしれませんが、この血管はにわかにできているためとてももろいのです。
その結果、少しの刺激に対しても出血してしまうのです。
この段階でも初期の段階と同じく、自覚症状はありません。
後期:増殖糖尿病性網膜症
この段階にまで経過すると新生血管は増殖し、大変もろい状態になって少しの衝撃で出血を起こしてしまいます。
硝子体出血(網膜などで起こった出血により流れ出た血液が、硝子体の部分にたまること)を起こすと、飛蚊症(目の前を蚊が飛んでいるように見える現象)や視力低下を起こしてしまいます。
網膜に出血が起こると、視野欠損を起こします。
さらに出血を繰り返し網膜が増殖していく過程で、周囲の網膜に力が加わることにより網膜剥離を引き起こしてしまいます。
血管から出てきた血液が黄斑部に貯留すると、そこにむくみが生じ、物がぼやけて見えたり、ゆがんで見えたりするのです。
黄斑部とは、網膜の中心にあり、視覚に関する細胞が密に集まっているため、普段この部分を中心に人は物をみています。
そのため、この黄斑部に異常が起こると、視力が急激に低下します。
②高血圧性網膜症

高血圧かどうかを判断するときに、眼底検査を行うことがあります。
高血圧性網膜症になっていても、症状はほとんどありません。
ただし、黄斑部に浮腫があると物がゆがんで見えたりぼやけて見えることで気づくことがあります。
そのまま放置しておくと、少しずつ新生血管が増殖することによって、硝子体出血や網膜剥離を起こしてしまい、視力障がいを起こすことがあります。
高血圧の治療を行えば、失明を起こすケースはまれです。
③網膜静脈閉塞症

網膜にある静脈が詰まって血液が流れなくなってしまうことによって起こります。
静脈が詰まっているところに流れてきた血液は、行先を無くしてしまい血管から漏れ出てしまいます。
その結果、眼底出血を起こしてしまうのです。
症状としては、視野欠損や視力低下などを起こします。
④加齢性黄斑変性症

加齢にともなって黄斑部に異常をきたす病気が原因になることもあります。
糖尿病性網膜症や高血圧性網膜症の時にも、黄斑部に出血を起こすことによって視力障がいを起こしますが、そもそも黄斑部は「物を見るための要(かなめ)」と言ってよい視細胞が最も集まっている場所なのです。
この加齢性黄斑変性症は、萎縮型と滲出型に分けることができます。
萎縮型
黄斑部が加齢によって萎縮=小さくなることによって起こります。
萎縮すると、ピントがずれてしまい物がゆがんで見えたり、視力が低下してしまったりします。
進行は比較的遅いことが特徴です。
滲出型
滲出型の場合は、新生血管ができることによって起こります。
その結果、血管が破れると眼底出血を起こしてしまいます。
進行は比較的早いことが特徴です。
眼底出血を起こすとどんなふうに見えるの?
眼底出血を起こすと視力障がいが起きますが、実際にはどのように見えているのでしょうか?
飛蚊症

読んで字のごとく、蚊が飛んでいるように見える現象のことを飛蚊症と言います。
白い壁や青空を見たときに、何か小さなものが動いているように見えます。
飛蚊症が起こる原因としては、出血が起きていることもありますが、加齢にともない硝子体の中の線維成分がくっつくことによって映し出されていることがあります。
また、極度の近視など、病気とはいえない状態でも飛蚊症は起こることがあります。
ただし、「黒い糸くずのようなものが増えてきた」と感じたときには眼底出血の可能性が高くなります。
判断が難しい場合は、まずは眼科に受診して診察してもらいましょう。
視野欠損

見ようと思っても、ある部分が欠けて見えなくなることを視野欠損と言います。
眼底出血を起こした時に見られる症状のひとつです。
出血が進行すると、少しずつ欠損部分が増えていき、やがて見えなくなってしまいます。
視野欠損が起きたら、すぐに病院へ受診して診察してもらい、治療を受けるようにしましょう。
黄斑に変性を来した時の見え方

初めは、視界が部分的に欠けたり、ゆがんで見えたりします。
進行していくにつれて、視野欠損の部分が大きくなり、やがて失明してしまいます。
物がゆがんで見える場合は、すぐに病院へ受診し治療を受けるようにしましょう。
眼底出血かなと思ったら病院へ

眼底出血を起こしてしまうと、自然に治るということはありません。
さらに、そのまま放置しておくと失明する可能性がどんどん高くなってしまうのです。
飛蚊症や視野欠損をチェック
まずは、白い壁もしくは青空を見上げてみましょう。
そして、ゆっくりと片目を閉じる、もしくは片手で片目を塞いでみます。
終ったら、もう片方の目を閉じて見るようにしましょう。
その際、飛蚊症や視野欠損、ゆがみに気付いたら病院へ行ってみることをおすすめします。
また、両方起こることもありますが、たいてい片方のみに起こるため、左右差によっても気づくことができます。
気になったら病院へ
この記事を読んでみても「眼底出血を起こしているのかな?」と悩んでいる方もいるかもしれません。
そんな時には、まず病院へ行って相談してみましょう。
起こしていないのであれば気分も晴れますし、起こしているのであればすぐに治療を受けることができます。
悩まずに、眼科を覗いてみましょう。
最終更新日: 2017-05-18
タグ:
眼底出血
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