2016/06/22
白内障手術で乱視も治せるって本当?
目次
白内障はどんな病気?
目の中には水晶体という透明なレンズのようなものがあるのですが、これが白く濁ってくるのが白内障という病気です。
白内障は糖尿病やアトピー、ステロイドの副作用や外傷により発症する場合もありますが、ほとんどは加齢による「老人性白内障」です。
60歳代では7割、70歳代では8割以上に白内障がみられるという調査結果もでています。
白内障は年をとれば誰にでも起こりえる病気なのです。
初期 水晶体混濁
50歳代 37~54%
60歳代 66~83%
70歳代 84~97%
80歳以上 100%「科学的根拠(evidence)に基づく白内障診療ガイドラインの策定に関する研究」2002年
出典:http://www.gankaikai.or.jp/
白内障の手術について
白内障が進行すると、かすんで見える、眩しく見えるといった症状があらわれてきて視力がだんだんと低下してきます。
ある程度日常生活に不自由をきたすようになると、白内障を治すために手術が必要になります。
現在多く行われている白内障の手術は、簡単に説明すると、濁った水晶体を超音波の器械で細かく砕いて吸い取り、きれいに吸い終わったところで人工レンズを入れるという方法です。
現在では傷口も3㎜程度と小さく、日帰りで行う眼科も多いです。
ただし、白内障が末期まで進行してしまった場合には、水晶体が硬くなりすぎているため、超音波で砕くことができず、水晶体そのものを取り出す手術をしないといけなくなります。
そうなると傷口も大きくなり、術後の乱視にも良くない影響を与えます。
乱視ってどんな状態?
乱視とは、眼の経線方向(縦、横、斜め)によって屈折力が違うため、1点から出た光が眼の中で1点に焦点を結ばない眼の状態です。
簡単に説明すると、目の中に入ってくる光の方向によって焦点を結ぶ位置が異なるため、見えにくくなったり、ダブって見えたりする状態のことです。
どうして白内障手術で乱視まで治すことができるの?
白内障手術をすると、人工のレンズを目の中にいれるのですが、実はこの人工のレンズには眼鏡やコンタクトレンズのように、さまざまな度数があるのです。
どの度数を入れるかは、白内障の手術をうける人の眼軸(目の長さのこと)、角膜のカーブ、術後に一番ピントを合わせて欲しい距離を精密な計算式によって導きだします。
今までは近視や遠視を治してあげることはできても、乱視までは白内障手術で治すことはできなかったのですが、近年新しい人工レンズの開発により、乱視まで矯正可能となったのです。
乱視にも対応した人工レンズ
乱視矯正ができる人工レンズは、日本では2009年に認可されたものです。
この乱視用の眼内レンズは、通常の眼内レンズの度数+乱視を矯正する度数をあらかじめ組み込んでいます。
実際の使用の流れとしては、術前検査後に手術が行われます。
しっかりとした術前検査にて、どのくらいの乱視量がどの角度にあるかが調べられ、眼内レンズの度数と挿入角度を確認します。
手術では、レンズを挿入する前に目に乱視軸のマーキングが行われて、ずれないよう慎重に進められます。
ただ、乱視の矯正する度数には限界があること、すべての手術をする施設が行っているわけではないことには注意が必要です。
そして瞳孔の開きが悪いなどの乱視用のレンズを入れにくい状態がある場合には、手術が行われないことも覚えておかなければいけません。
まとめ
白内障の手術はどんどん進歩して、近視や遠視だけでなく、乱視まで治すことができるようになりました。
今後白内障の手術を考えている人は、どの眼科がどんな手術を行っているか、最新の白内障手術はどんなことまでできるのかを情報収集して、手術をする施設を選ぶことがとても大切になってきます。
*サイトの情報や紹介している商品は、記事の内容に則して最適だと判断したものを紹介していますが、実際に利用し判断・行動する場合は、ご自身の責任の上で行ってください。
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