
レーシックとICL・フェイキックIOLの違いとは?メリット・デメリットを徹底比較
視力矯正を行うための手術と言えば、いまでもレーシックが主流です。しかし近年では様々な治療法が出てきていて、ICLの需要も高まってきています。ここでは、レーシックとICL・フェイキックIOLの違いについてお話していきます。
目次
レーシックについて
レーシックは角膜を削る手術

レーシックの手術内容を簡単に説明すると、角膜を削ってエキシマレーザーを照射し、屈折矯正を行うというもの。
近視や遠視、乱視にも治療効果を発揮します。
ちなみに、レーザー照射するために角膜を削るのですが、この削られた角膜のことを「フラップ」と呼びます。
レーシックのメリット
- 裸眼で過ごせる
- 維持費がかからない
- 短時間で視力を回復できる
レーシックの手術時間は15~20分程度で、早ければその直後から視力アップを感じることができます。
短時間の施術で裸眼の生活が手に入るのは、大きなメリットです。
また、維持費に関しても、ワンデータイプのコンタクトレンズに年間約6万~7万円の費用がかかるのに対し、レーシックは一度手術を終えれば維持費がかかることはほとんどありません。
レーシックのデメリット
- 視力低下や合併症などのリスクが伴う
- 強度近視の人は手術が受けられない
- 一度手術をすると目を元の状態に戻すことはできない
レーシック手術には、目の見え方が変化したり、ドライアイやハログレアなどの後遺症が出るなど、幾つかのリスクがあります。
視力低下もその一つです。
レーシックを受けたあとでも、長時間のPC作業など、目を酷使する生活を続けると視力は低下します。
また、老眼もおきます。
もっと詳しいメリット、デメリットのことはこちらの記事にまとめてあります。
レーシックを受けるかどうか迷っている、という方はこちらの記事も見てみてください。

従来はメガネやコンタクトレンズなどの矯正が多くありましたが、今はレーシック...
フェイキックIOL・ICLについて

フェイキックIOL・ICLは眼内レンズの一種
眼内レンズとは?
眼内レンズとは、文字通り、手術で目の中に入れて視力を矯正するレンズのことです。
視力を矯正する原理はコンタクトレンズと一緒です。
ICLとフェイキックIOLはどちらも手術をして目の中に入れることで、視力を矯正できるレンズです。
適しているのはこんな人
ICLやフェイキックIOLは、レーシックと比べると幅広い方に適応が可能です。
- 角膜が薄くてレーシックが受けられない人
- 強度の近視や乱視、遠視の方
ICLやフェイキックIOLは角膜を削らないので、角膜が薄くてレーシックを受けることができない方でも受けることができます。
また、レーシック手術の適応範囲が視力が-6Dまでの人であるのに対し、ICLやフェイキックIOLは-15Dの近視まで対応しています。
受けられない場合も
次の項目に当てはまる人は、受けることができません。
- 目に、白内障や緑内障等の疾患がある
- 糖尿病や膠原病などの疾患がある
- 21歳以下の方
- 妊娠中や授乳中の方
また、このほかにも角膜内皮細胞が極端に少ない人は手術を受けることができません。

現在日本には、近視だと約5000万人、乱視だと約970万人ほどの患者がいる...
こちらの記事に、ICLとフェイキックIOLに関する詳しい情報をまとめてあるので、ICLやフェイキックIOLに興味を持った方はぜひ見てみて下さい。
フェイキックIOLとICLの違いとは?
フェイキックIOLとICLの違いは、目の中でレンズを入れる位置です。
下の図を見ながら確認してみて下さい。

具体的にどう違うのかというと、ICLは水晶体と虹彩の間にレンズを入れますが、フェイキックIOLは角膜と虹彩の間にレンズを入れます。
虹彩とは、黒目の周りの茶色い部分のことで、ICLは虹彩の奥にレンズが入るので、外からレンズは見えません。
レンズを入れる位置を区別するため、ICLは後房型、フェイキックIOLは前房型と呼ばれます。
フェイキックIOLとICLではどっちがいい?
フェイキックIOLとICLは、異なるリスクがあると言われています。
ICLは水晶体の近くにレンズが入るため、水晶体を透明に保つ役割がある房水の流れを滞らせ、白内障を引き起こすのではないかと言われています。
一方フェイキックIOLは角膜の近くにレンズが入るため、角膜と接触して角膜内皮細胞の数が減ってしまう可能性があります。
しかし、最近はICLのレンズの改良が進み、房水をせき止めないように穴が空いたホールICLというものが出てきているため、白内障にかかる人は大幅に減少しました。
そのこともあり、最近はICLが主流になってきていて、眼内レンズの手術を受けるうちの9割以上がICLを選んでいます。
数で言うと、ICLは60万以上の症例数があります。
フェイキックIOLと比べて、ICLにはこんな利点があります。
- 傷が小さく、治りやすい
- 両目とも同じ日に手術できる
- 角膜内皮細胞にダメージを与えにくい
- 乱視を矯正しやすい
- レンズがずれにくい
しかし、ICL手術を行う際に、レンズなどが水晶体に触れてしまうと外傷性白内障を引き起こす可能性があります。
そのため、手術を受ける際は経験豊富な先生にしてもらえるように、病院選びをしっかりと行いましょう。
眼内レンズのメリット
- レーシック適応外でも受けることができる
- レンズを取り出すことで眼を元の状態に戻すことができる
- メンテナンスやアフターケアをする必要がない
ICLやフェイキックIOLなどの眼内レンズのメリットは、角膜が薄かったり、強度の近視や乱視などでレーシック手術を受けられない人でも視力を矯正できる、という点です。
また、レンズを入れるだけの手術なので、レンズを取り出せばまた眼を元の状態に戻すことも出来ます。
眼内レンズは、コンタクトレンズのように日々メンテナンスをする必要はありません。
しかし、衝撃が加わったり日々生活する中でレンズが回転してしまうことがあるようです。
そういった場合は、その回転を元に戻す手術を受ける必要が出てきます。
眼内レンズのデメリット
- 白内障や角膜障害のリスクがある
- 術後、一時的に眼圧が高くなることがある
- レンズが回転したり、ずれる可能性がある
- レーシックと比べ、症例が少ない
眼内レンズの手術をした後は、眼の中を流れる房水という液体の流れが変わり、一時的に眼圧が高くなる可能性があるようです。
しかし、こちらもホールICLが出てきたことで改善されたようです。
また、頭部に衝撃が加わったり、日々生活していく中で、レンズがずれてしまうこともあります。
激しい格闘技やサッカー・ラグビーなど、頭部に強い衝撃を受けるようなスポーツを行っているような方の場合は、それによりレンズがずれてしまうことがあります。
特にフェイキックIOLでは、固定部分が不安定であるためその可能性が高くなります。
レーシックとICLはここが違う

ICL/ フェイキックIOLと、レーシックの違いをざっとまとめると、以下のようになります。
適応範囲 | 手術時間 | リスク | 費用 | |
---|---|---|---|---|
ICL/ フェイキックIOL | -6D〜-15Dくらいまで | 10分程度 | 白内障や角膜内皮細胞の減少 | 50万〜80万円 |
レーシック | -6D(場合によって-10D)まで | 10分程度 | 術後の視力低下、ハログレア等 | 7万〜40万円 |
やはり大きな違いは視力の適応範囲(どれくらいの視力なら治せるか)と、費用です。
-6Dまでの中度近視はレーシック、-6D〜-15Dまでの強度近視はICL/ フェイキックIOLで矯正する、と言ったイメージでしょうか。
手術時間の違い
手術時間は、両眼でレーシックの場合15分~20分程度、ICLの場合は片眼が約10分程度とそれほど差はありません。
ICLやフェイキックIOLの場合は術後の安静時間を含めると、病院に行ってから帰るまで5〜6時間ほどかかります。
また、フェイキックIOLの場合は片眼ずつの手術になります。
手術中の痛みに関しては、点眼麻酔を使用するため手術中に痛みを感じることはありません。
合併症・後遺症の安全性に違いはある?
フェイキックIOLやICLの合併症としては、白内障が挙げられます。
発症率は0.4%ほどですが、近視の人はもともと白内障になりやすいとも言われています。
また、トラブルが起きた時や起きそうな時にはレンズを取り外して対処することが可能です。
一方、レーシックの場合の後遺症として上げられるのは、ドライアイ(目の渇き)や、夜間の光がまぶしく見えたり、にじんで見えたりするハロー・グレア、夜間の視力低下などが上げられます。
術後、このような症状があらわれないように適応検査をうけ、手術の方法を正しく判断してもらう必要があります。
レーシック手術の後遺症に関しては、こちらの記事を参考にしてみて下さい。

視力が悪い人は、コンタクトレンズや眼鏡など様々な矯正方法で視力を良くしてい...
レーシックとフェイキックIOL・ICLの費用を比較
フェイキックIOLやICLは高額
レーシック | 7〜40万円 |
---|---|
フェイキックIOL | 46万円〜 |
ICL | 50〜78万円 |
レーシック手術には様々な術式があり、安価なところで7万円程度、高くて40万円程度の費用が必要です。
一方フェイキックIOLでは46万円以上、ICLでは50万~78万円程度と高額です。
人工レンズを使用した手術の場合、ひとりひとりの患者さんに合わせたオーダーメイド手術になるため、それに費やされる時間や技術を考慮し高い価格になってしまいます。
【口コミ】レーシックと眼内レンズの体験談
レーシックの体験談
31歳 会社員 男性
Q施術を受けた感想をお聞かせ下さい。
【手術当日】
一瞬で終わりました。
勝手に怖いイメージを持っていましたが、痛みもなく、ただまぶしいくらいでした。
施術後3時間くらいは、少ししょぼしょぼする感じの痛みがありましたが、点眼で痛みは取れるのでそんなに気にならなかったです。
【手術翌日】
施術後にあった、風景の白いもやもほとんど取れ、遠くがはっきり見えて嬉しかったです。Q施術を受けて良かった事は何ですか?
子供の顔が良く見えるのが新鮮です。
また、目の疲れからくる肩こりが無くなったので良かったと思います。
眼内レンズの体験談
フェイキックIOL体験談 女性
QフェイキックIOLの施術を受けた感想をお聞かせください。
【 手術当日 】
事前に、先生から何度も説明していただいて、理解していたつもりでしたが、手術室に入る時はかなり緊張しました。
手術は最初の消毒がしみて不安になりましたが、その後は麻酔で痛みはありませんでした。
先生が声をかけて下さったのも安心しました。
【 手術翌日 】
痛みはありませんでしたが、眼帯をはずした時に、想像以上に眼が赤かったので驚きました。
少しぼやけていましたが、視力検査で1.0まで見え、信じられないとういう心境でした。QフェイキックIOLの施術を受けて良かったと思う事は何ですか?
コンタクトのケアをしなくて良いこと、眼鏡をかけた時のこめかみの痛み等の不快感がないことです。
旅行に行く時も、ケア用品&眼鏡が荷物からなくなるのは嬉しいです。
ICL体験談 44歳事務職 女性
Q実際に、フェイキックを受けてみていかがですか?
快調です!私の場合、今のところは、遠近見えてます。
飛蚊症もドライアイもなくなり、コンタクトの厚みと長時間使用で目が重くて開けにくく、二重の幅も何重にもなる、眼輪筋のまわりの顔にしわがよる、目の痛みと同時に鼻水が流れ出る、糸のような目ヤニが異常に出る、頭痛などが解消され、子供の頃に戻ったように、目を開けていられ、よく見える。
ハログレアもないです。
引用元: www.sbc-lasik.jp
【総括・まとめ】結局のところどっちがいい?

レーシックが適してる人
- 視力が-6Dまでの近視の方
- 激しい格闘技やスポーツをする方
- 眼内レンズのずれが心配な方
- できるだけ安価で視力矯正手術を受けたい方
-6Dまでの近視であれば、レーシック手術がオススメです。
眼内レンズは頭部に衝撃が加わるとレンズがずれてしまう可能性がありますが、レーシック手術であれば、術式を選べばそのような心配はありません。
眼内レンズが適してる人
- -6D〜-15Dくらいまでの強度近視の方
- 角膜が薄い等の理由で、レーシックが受けられない方
- 強度の近視や乱視・遠視がある方
- レーシックの後遺症が不安な方
- 見え方にこだわりたい方
それぞれ、メリットとデメリットがあります。
情報収集はもちろん、医療者に相談しながら治療方針を決めていきましょう。
フェイキッックIOLやICLを取り扱っている眼科・クリニック
フェイキックIOLやICLを行っているクリニックを紹介します。
新宿近視クリニック
◼︎ICLの料金
施術名 | 料金(税込・両眼) |
---|---|
ICL(屈折値-7.5D未満) | 49.8万円 |
ICL(屈折値-7.5D以上〜-10D未満) | 59.8万円 |
ICL(屈折値-10D以上) | 63.8万円 |
レーシックよりもICLの方が症例件数の割合が多く、ノウハウに長けている新宿近視クリニック。
ICLが人気な理由や、フェイキックIOLとの比較まで詳しく解説していただきました。
ぜひこちらの取材記事も併せてご覧ください。

レーシックやリレックススマイルといったレーザーを使った屈折矯正手術の他、目...
品川近視クリニック
ICL(後房型レンズ)、有水晶体後房レンズは、2010年に厚生労働省から承認されました。
フェイキックIOLのレンズの材質は2種類あり、ひとつはポリメチルメタクリレートという素材でできたARTISAN(アルチザン)タイプで、米国FDA(食品医薬品局)に承認されているレンズです。
もうひとつは、光が通る部分がシリコンでできたARTIFLEX(アルチフレックス)タイプです。
◼︎料金
手術メニュー | 料金(税抜・両眼) |
---|---|
フェイキックIOL | 53.7万円〜 |
品川近視クリニックへ直接取材してきました!
フェイキックIOLやICLについて詳しく解説していただいたので、気になる方はぜひご覧ください。

レーシックやICL、オルソケラトロジーといった屈折矯正の専門眼科クリニック...
神戸神奈川アイクリニック
0円
神戸神奈川アイクリニックは
閉院しました。
下記の治療内容・料金等は参考情報として
ご覧ください。
受診した方への保証・対応については
公式ホームページの案内でご確認ください。
神戸神奈川アイクリニックでは、後房型のICLのみを取り扱っています。
神戸神奈川アイクリニックに所属する北澤医師は、ICLの手術を医師に指導する資格を持っているということもあり、ICLの症例数は国内トップクラスです。
料金は両眼・税込で68万円で、遠方割引が適応されると1万円、現金で支払うと3000円割引されます。
ICL | 費用 | 保証期間 |
---|---|---|
ホールICL(乱視なし) | 68万円 | 3年間 |
ホールICL(乱視あり) | 78万円 | 3年間 |
神戸神奈川アイクリニックに取材してきました!
レーシック手術について詳細に聞いてきましたので、レーシックを検討中の方はぜひご覧ください。

レーシックやICLなどの屈折矯正手術を専門に行う大手のクリニック、神戸神奈...
最終更新日: 2019-10-01
タグ:
*本サービスは、一般的な情報提供を目的としたものであり、診察行為や治療行為を目的としたものではありません。具体的な治療行為等については、必ず、医師等の診察を受けて頂きますよう、お願い致します。
*サイトの情報や紹介している商品は、記事の内容に則して最適だと判断したものを紹介していますが、実際に利用し判断・行動する場合は、ご自身の責任の上で行ってください。